照れまん君のやっぱりクラシック ヴィヴァルディー 「冬」

                              
        「 冬 」
 だいぶ以前に、ヴィヴァルディーの 四季 より 「夏」 を書きましたので、今回は
「冬」 を書いてみます。
 Antonio Vivaldi 作曲 協奏曲集「和声と創意の試み」作品8より 
  第四番「冬」 Op・8-4
   第一楽章
 あまりの寒さに、じっとしていると凍り付いてしまうので、足をせわしく動かし、
足踏みをしているところから始まります。
 チェロ・バスがトントン・トントンと8分音符を刻みます。寒いので足踏みをして
います。
そこに、ヴィオラが加わってきます。そして、第2ヴァイオリン(Vn)も加わって
きます。みんな寒いので、足踏みをしています。
 そして、やがて第1Vn が加わってきます。第1Vn には装飾音符が付いてい
ます。
 シの上にモルデントという装飾記号が付いていて、シドシ・シドシと演奏されます。
これは寒くて、体が ブルッ・ブルッ と震えているところです。
 第一楽章では、この足踏みと、体が震えている刻みの音形がテーマになって
います。
 先に進むと、Vn 独奏が入ってきます。細かい音符ですが、これは北風が
ビュー と吹いてきたところです。  すぐにおさまります。
 皆は相変わらず、足踏みをしています。
すると、また北風が吹きます。2度目の独奏Vn の細かい音符がそれです。
アルプスおろしでしょうか?
 関西なら「六甲おろし」ですが、関東はなんと言うのでしょう。
秩父おろし」?「上州の空っ風」と言うのはよく聞きますけど・・・。
 ちなみに、私は 大根おろし は大好きです。
こらこら、絶対言うと思った  ってみんな思っていますよ。
座布団一枚、取っちゃって・・・・。( ぐすっ )
 我が家では大根おろしは、男の役目です。このくらいやればいいのにって、
思うのですが、 向こうもそう思っているみたいなので、リハビリと思って
やってます。従順な私です。
 さて、2度目の北風がおさまると、また足踏みをしています。
そして、3度目の北風が吹きますがまたおさまります。
 皆は寒くて相変わらず足踏みをしています。
 すると、とうとう、本格的な北風にになり、ビュンビュンと寒風が吹き荒れます。
少し長い独奏部分になります。
 ここが終ると、また足踏みをしています。
 次におおらかな独奏バイオリンの旋律が流れますが、これは凍りつくような
冷たい空気です。
 すぐに、独奏 Vn が細かい16分音符の重音の刻みになります。
これは寒くて 歯の根が合わず、歯 がガチガチ鳴っているところです。
歯は上下にありますよね。それで、ここは上下に、二重音で書いてあり、
同時に2つの音を、細かく16分音符で連続して弾きます。
 歯が鳴っているのです。
 そう言われて聞けば、そう聞こえないこともありません。
 普通に聞いていれば、ただの細かい刻みにしか聞こえません。
ただの独奏ですが、実によく考えられています。
 この独奏が終わると、全員合奏で北風のテーマを演奏して、第一楽章は
終わりです。
    続いて 第二楽章
 この楽章はとても有名。この楽章だけ、単独に演奏されることもあります。
日本では歌詞が付いて、NHKの「みんなの歌」で歌われていたことも
あります。
 この楽章は、暖炉の側で家族が思い思いに過ごしているところ。
外は冷たい雨が降っています。
 合奏はピチカートで弦を指で弾いて伴奏します。
これは冷たい雨をあらわしています。
 日本なら、さしずめ雪になるところですが、ベネチアの冬は雨のようです。
 独奏Vnは実にのびのびとした、素晴しい旋律を奏でます。
暖炉に当たりながら、家族はそれぞれ、何をして過ごしているのでしょう。
 おばあちゃんは繕い物をし、お父さんは本を読みお母さんは家計簿
付けています。
 娘は、着てはもらえぬセーターを一生懸命編み、
 息子は、来てはもらえぬ嫁さんに、ニートしながら漫画を読んでいます。
 こらこら、そんなパロディーを書いてると作詞家に叱られますよ。
でもよかった。「北の宿から」の作詞家が川〇氏でなくて・・・。
「君にはもうこの詩は聞いて欲しくない」って叱られるところだった。
 ちょっと余談になりますが、「北の宿から」 を作詞したのは、阿久悠氏
この詩はすごいです。
 「着てはもらえぬセーターを、寒さこらえて編んでます~」もすごいですが、
3番はもっとすごいんです。  強烈です。
 始めの部分を、ちょっと書いてみます。
   あなた 死んでも いいですか
   胸が  しんしん 泣いてます。
    窓にうつして 寝化粧を
   しても心は晴れません
 キャー、 すごいでしょう。こんな女性に逢いた~~い。
どうです、女の鏡でしょう。
 男は手鏡で人生を棒に振るのに・・・・。
 この曲はすごいです。鏡を見ているのではないのです。
窓に写る自分の姿をぼんやりと眺め、帰って来ることのない人を、待ち続け
ているのです。私なら飛んで帰るのに・・・・。
 作曲は小林亜星さんです
この曲は、演歌の中の名曲中の名曲だと思います。
 こらこら、いつの間にか話が逸れて、ヴィヴァルディーが演歌になってしまって。
すみません。寒さつながりで・・・。
 ボツボツ話を「四季」に戻しなさい。  ハイ。
 ところで、「冬」の第二楽章の旋律は、とてもよく出来ています。
旋律を作る時の最初の基本は、メロディーを階段状に作ることです。
段一段、階段を上ったり下りたりします
 そうすると、とても滑らかで覚えやすく歌い易い旋律になります。
したがって、子供からお年寄りまで、誰でも歌える親しみ易い曲になります。
 かえるの唄 がそのいい例です。
 この、階段状に作られた最高の名曲が、ベートーベンの第九の「歓びのうた
です。誰にとっても、とても歌い易く憶え易いのです。
 でも、よほど上手に作らないとベートーベンのようなわけにはいきません。
こればっかりだと、単調になってしまいます。
 そこで跳躍を取り入れます。
 これが第二段階です。
 ジャンプして上がったら、階段を一段一段ゆっくり下がる。
ジャンプして下りたら、ゆっくり昇る。
 これが、メロディーラインの第二の基本です。
 ヴィヴァルディーはかなり忠実に、この基本を守っています。
最初の音が、 ミ ↑ シ  と跳躍して上がっています。
すると、2つ目のシの音からゆっくり降ります。ミ↑シラソ となります。
跳躍すると反進行で階段状にするとジャンプのショックをやわらげることが
でき、旋律がまろやかになります。温かみが出てきます。
 暖炉の側に居るわけですから・・・・。
 ヴィヴァルディーにしては、珍しく いい旋律です。
 (コラコラ、上から目線はやめなさい)     はい、失礼しました。
  さて、続いて第三楽章です。
  最初は独奏Vnとチェロだけで始まります。
氷の上を、恐る恐るゆっくりと歩いている所です。
氷の上を歩くのは、滑るので不安定ですよね。
 チェロはただ一つの音を長く伸ばすだけで、これはオスティナートバスと呼ばれ
ていますが、ここでは地面に平らに張っている、氷を表しています。
独奏Vnは、この氷の上をゆっくり歩いています。
 ここではあまり拍子どうり、きっちり弾かず、伸びたり縮んだりして、氷の上を歩く
不安定感を出しながら、自由に演奏します。
 やがて合奏が入ってきますが、また独奏Vn になります。
ゆっくりと歩いていたのですが、だんだん慣れてきて少し速く歩けるようになります。
するとバランスを崩してこけそうになるが持ち直す。
調子に乗って速く歩いているとまたコケそうになり、おっととと・・と。
しばらく歩いていると、ついには調子に乗りすぎ、ツルッと滑って、転んでしまい
ます。
 詩には、「頼り無い氷が割れてバリバリと亀裂が出来る」、と書いてあります。
道路に氷が張っているのでしょうか。それとも川?
 そのあと、 ちょっとゆっくりした部分になりますが、ここはコケてしまい、
「痛てぇーー!」  と転んで嘆いている所。
 そしていよいよフィナーレ。急速なテンポになります。
北風、南風、あらゆる風が、ビュンビュン吹き、
どうだ冬の厳しさを思い知ったか・・」と言ってる所。
 だけど、なぜか最後に詩は「冬って、けっこう楽しい」で終っている。
 この曲を聴き終えた時は、ちょっとした感動を憶え、幸せな気持ちになれます。
冬をこんなに魅力的に書いた人を他には知りません。
 「四季」はどの曲も魅力的で素晴しい曲ばかりです。多くの人に親しまれている
名曲中の名曲。
 やっぱり、ヴィヴァルディーって天才だなと思います。
 この「四季」には ソネット と言う小さい詩が書かれています。
この詩に即して作曲されています。誰が書いた詩なのかはよく解っていません。
詩は日本語に翻訳されていますが、翻訳家によって随分違います。
詩なので、仕方がないですね。
 私がイタリア語はさっぱりなもんで、勉強せんといかんのですが、またいつの
日にか、勉強をして、イタリア語の原語と日本語訳とを載せて見たいと
思います。
 今回は、ヴィヴァルディー の 「」 を載せてみました。
ではでは、また・・・・。
        ヴェネチアングラスに注ぐソーダ水
   ヴィヴァルディーを口づさみつつ踏む落ち葉    照れまん
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照れまん君のやっぱりクラシック ヴィヴァルディー 「冬」 への6件のフィードバック

  1. fujim より:

    照れまんさん またまた楽しく読ませていただきましたよ。 繕い物、読めましたー! したことあります!と、そんなところから入っちゃいけませんね。 でもそちらだって急に、「暑くなったから冬に行きます」ですよ。 似たようなモンです。前の「夏」をさすが音楽家さんとうっとりしながら読んだのを思い出しました。 このところ、「演奏途中ではいったい何を考えてるんだろう、と思うと噴出すかもしれないのでコンサートには行けないな。」などと考えて「夏」のことなど忘れていましたよ。あれは寒いので足踏みしていたんですかー!そうだったんですかー。 そう言われてみればそのような、、。私は何かの鼓動と感じていました。 きっと足踏みの音が鼓動となって響いてたに違いない。 読んでいくうちにメロディが聞こえてきましたよ。 文才すごいですね。 音符を見てもこうはいきませんですよねっ。「夏」はなぜか物悲しく胸にキュンと来て涙が滲みそうだし、「冬」はいろいろあったけどやがて希望の春が近づいてますよ、という感じがして、、ン? 馬が出てきませんね。 遠くからひずめの音を響かせて春を連れて来てるに違いないと思ってたのに、さては思い過ごしだったか、、><でもおかげで気持ちよくなって、これでまた演奏を聴きに行ってもいいような気がしてきました。最後に一言、二言、四言、、女は誰だって着てはもらえぬセーターを(心の中で)編んでるんですよ。 表に出さないだけですよっ。帰って来ない人だから待つんですよっ。 作詞家じゃないから言葉に出来ないだけなんですよっ。

  2. のら より:

    照れまんさん おはようさんです。
    お休みしてる間に書かれた記事を読み終えて、今一息ついてるところです。ふーっ
    キャンプ入隊・改革1~2・水球・ヴィヴァルディの冬・・・どれもすごく興味深くて、惹き込まれて読みましたよ。
    文字がぎっしりいーっぱい並んでるブログに出会うと、2~3行読んで から大抵は「ふむふむ そういうことね」と、
    その先をはしょってしまう悪い蛍光灯、いや傾向にあります。(のらの友人のところはそんなブログはありません。)
    照れまんさんの記事では、もっともっと先が読みたくなります。照れまんさんの豊かな博識と物書きのプロのような記述が、
    歴史やクラシック音楽の堅苦しさを取り除いて「小市民」レベルで面白さを感じさせてくれます。
    ”天声人語”や”余禄”でもここまでの面白さはありません。少人数の読者だけではもったいない気がします。
    ・・・といいながら、なんだか得した気がしているのも事実です。
    いつか記事をまとめて出版されるとぜったい売れますよ。のらは必ず買います。インクのひとつやふたつ楽勝です。
     
    さて、立ち泳ぎのことですが、のらには真似できません。
    移動泳ぎはできます。しかし同じ位置を動かずに泳ぐことは不可能です。
    おなかに白い帽子を載せてぷかぷか浮かぶことは短時間ならできます。
    やっぱり汐に流されてコートがひし形になるでしょうね (笑)

  3. Pu'uwai より:

     ほんと、すごいですよね。 
    照れまんさんの筆力と迎え撃つfujimさんの返答筆力。
     
    照れまんさんの記事を読んでいると、どこがテレマンなの?と思うし、
    fujimさんのコメ読んでいるとどこが内気でいじいじした性格? (以前fujimさんが書いていた) と思うし、
    これでいじいじなら、はきはきの山口県人はどんなんだろうとかねがね思ってました。
    目立ちたがりの大阪人も負けそうですね。
     
    じんじんと頭を小突くかき氷         プウバイ

  4. 照れまん より:

             Fujimさん  こんにちーーーーー歯!
    夏と冬が入れ替わっている、照れまん君です。
    いま、私の部屋は、冬物を片付けないまま、夏物を出したため、ほとんど寿司詰め・満員電車・ゴミ屋敷状態です。
    女の人って、これをきちんと片付けるんだから、すごいなと思います。
    寒さこらえて編んでくれたセーターが1枚もないのが残念です。笑いをこらえるしかありません。
    ヴィヴァルディーって、けっこう面白いでしょう。
    では、また宜しく・・・。

  5. 照れまん より:

        のらさーーーん   お久しぶりです。
    のらさんの声が聞けて嬉しいです。その上、褒めていただいて、木に登っちゃいそうです。
    「冬」 を書きながら、のらさんなら、ここで ヴィヴァルディーの「冬」が流れてきて、このあたりで「北の宿から」に変わるのになーと思ったりしていました。
    こんな長いのは誰も読んでくれる人なんて居ないだろうな、と思いつつ書いていますので、読んで頂けただけで幸せです。
    枝雀の落語ですが、音量を目一杯上げて聞いてたんですけど、それでも音量が小さいもんで、パソコンに首を突っ込んで、二度聞いたんです。それから4~5日たって、パソコン本体の音量が右下にあったなと気が付いて、そこの音量を上げたらものすごく大きくなって、3度目は 寝ながらのんびりと聞けました。小米のころは、テレビで7~8分の短いものが多かったように思います。
    では、また宜しくおねがいします。            照れまん

  6. 照れまん より:

       Pu`waiさん こんにちは
    かき氷って 頭 痛くなりますよね。イタリアのワインなんかを ドボドボと掛けて 食べてみたいです。
    Pu`wai さんの所に以前お邪魔したとき、ヴィヴァルディーの「秋」 が流れて来て、すごく秋色の竹細工と電飾とがマッチしていたので、うわー「秋」が書きたい、 リンク させたーい と思ったのですが、そんな高度な裏技が出来るはずもなく、暑さこらえて 自ちょうしてました。
    では、では、また宜しく。    南の宿から
     
          冷凍庫アイス買ったが入らない      照れまん
     

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