照れまん君の俳句歳時記 「泰山木の花」 その2

   泰山木咲くや地上に興味なく    照れまん
             (1)
        
  昨年、泰山木の花を載せましたが、今年 もう一度載せて見ます。
  泰山木の花の時、とても温かそうな毛皮のコートを着ているのをご存知
 でしょうか。
  毛皮のコートで、花びらを守っています。
  そこで、蕾の写真を載せてみます。
          (2)
      
                                                                    2008 05 07
  どうです。とても暖かそうでしょう。
      中央が蕾で、そのすぐ左によく似たものがあります。これは、葉です。
 学者さんに言わせると、花というのは 葉が変化したものだといいます。
 葉と花は同じ物で、葉が花に変化していいったものが 花だと言います。
 写真を見ると、確かに葉と花はそっくりですよね。
 横のものは葉になり、中央のものは花へと変化するのでしょうか。
          
  もう一枚、別の蕾を載せてみます。
 蕾の右側で、葉が葉になっていくのが、よく解ると思います。
  下の写真。
           (3)
        
                                                                  2008 05 20
  蕾が大きくなるに随い、毛皮の毛の部分がだんだん薄くなります。
  充分成長すると、突然コートの皮の部分に、縦に真っ直ぐな切れ目が生じます。
           (4)
        
   切れ目がだんだんと大きくなっていきます。
          (5)
        
                                                                       08 06 03
  だんだんとコートを脱いでいきます。
           (6)                                  (7)
              
  だいぶ、コートを脱いできました。
  もう少しです。
  中の花びらは、白ではなく、まだ黄緑色に見えます。
           (8)                                  (9)
              
  もうすぐ、コートが落ちそうです。
            (10)                                (11)
              
                                                                                06 08
 (10)はコートが落ちる寸前。
 (11)の写真では完全に落ちてしまいました。皮が、葉っぱの上に乗っています。
  皮は乾燥して、パリパリなっています。とても軽いです。
          
  脱いだ皮は、漢方ではとてもいい薬になるそうです。
  花びらも黄緑色から、だんだんと白くなってきます。
  花びらが開く時には、すっかり 真っ白になっています。
          (12)
         
   被子植物門・双子植物綱・モクレン目・モクレン科・モクレン属  タイサンボク
  学名 : Magunolia grandiflora    マグノリア グランディフローラ
  Magnol  は人の名前   grandiflora は「大きな花」
  英名 : Evergreen Magnolia  と Southem magnolia と 
サイトによって違っています。どちらが正しいのでしょうか。 
  原産 : 北アメリカ南東部
   ★   明治6年 日本に渡来とあります。
              (13)
         
  タイサンボク・泰山木 とは、とてもいい名前。雄大な感じがします。
 どうして、泰山木 と書くのでしょうか。
 説1、 泰山木・・・花が大きくて立派なので、中国山東省にある霊山 
     「泰山」(タイサン)にちなんで、泰山木と名付けられた。
     花の色・大きさ、高貴さから,一本の木に花が咲いた姿を、
     一つの名山に例えた。
 説2、 大盞木・・・植物学者の牧野富太郎博士が論文で大盞木と発表。
     花びらを大きな盃に例え、「大盞木」と書いた。
     泰山木や大山木は当て字であると書かれているらしい。
     にもかかわらず、これがいつしか泰山木になったとする説。
 説3、 大山木・・・最初は、葉や花が大きいので、大山木と書いていた。
     昭和7年、松崎直枝が「趣味の樹木」の中で、「大山木とあれど
     自分が慈に敢えて、泰山木の字を用ゆる所以は、
     義は泰山より重しという言葉に因む」と、書いた為、
     それ以降、泰山木定着した、とする説。
           
  明治6年に渡来ということは、その頃に名前が付けられたのではないでしょうか。
 明治14年発行「小石川植物園草木図説」には、すでに タイサンボク 又は 
 タイサンモクレン、とカタカナ表記がされているようです。
 説2、ではすでに泰山木と書かれていたようですし、説3、は 昭和では、少し新し
 過ぎるような気がします。
  泰山木の表記は、比較的最近なのに、いつ・誰が・となると、はっきりとは
 解らないようです。
 「泰山鳴動して、鼠一匹」 のことわざの泰山と、泰山木の泰山は同じだった
 とは以外ですね。
         漢名では、洋玉蘭 というそうです。
          
      花の中を ちょっと覗いてみます。
         (14)
       
  花の中心に、くるくると丸い雌蕊・メシベが沢山あります。
 その周りに、人形(ひとがた)のような雄蕊・オシベが、これまたびっしりと
 付いています。
  雄蕊は次第に落ちて、散っていきます。
            (15)
         
          
  泰山木の花のオシベ・メシベは、かなり古い形のものだそうです。
 虫媒花ですが、この他の植物はどんどん進化していったのに、この花は何万年
 も姿形を変えず、原始的な姿を残しているそうです。
 そのため、古い植物の仲間に分類されるそうです。
    雄蕊の付いている根元の部分 花糸 が赤いようなピンク色でとても綺麗です。
            (16)
         
  雄蕊がずいぶんと落ちてしまいました。
            (17)                               (18)
             
 (18)の写真では、すっかり 雄蕊が落ちています。
  メシベは残っています。
  落ちた雄蕊が、マッチの軸のように見えます。
            (19)
         
  白い花びらの上に、落ちたオシベが沢山乗っています。
  根元が赤く、マッチの軸みたいで、とても綺麗です。
  続いて、葉を見てみます。
  表は濃い緑で艶がとてもいいです。
  裏はやや茶色で、小さな産毛のようなものが生えています。
            (20)                               (21)
             
 (20)の写真は今年生えたばかりの新しい葉。まだ薄緑の色。
 右は葉の裏です。角に写っている白い部分は、花びらです。
   ゆふぐれの泰山木の白花はわれのなげきをおほふがごとし   斉藤茂吉                                        
          (22)
         
   花が散った後 やがて種が出来ます        08 07 20
  いよいよ俳句です。
  「泰山木の花」 は 「夏の季語」。
 傍題に、「大盞木の花」・「大山木の花」があります。
        
  泰山木の花 を俳句に詠むのは、なかなか難しいようです。
 タイサンボクノハナ だけで9文字にもなります。残り8文字で何かを言おうと
 すると、無理が生じます。
  難しければ難しいほど、俳人の器量が試されます。
  それで、俳人は、よけい作りたくなります。
  俳句では、「泰山木」 と書いただけでも、花が咲いている、と読んでくれますので、
  6文字でも何とかなります。しかし正確には、「花」とか「咲く」・「開く」 という
 言葉を入れた方が、より良いですよね。
  そうした中で、とってもいい俳句がありますので、いくつか紹介してみます。
      ロダンの首泰山木は花得たり       角川源義
  やはり俳人というのはすごいですね。
  ロダンの首ですよ。
 野外彫刻のロダンの像、考える人 でしょうか?近くに泰山木が咲いてい   るのが
 見えるのでしょう。泰山木の大きな蕾とロダンの首。すごい取り合わせです。
  美術館の建物や庭の広さなどが、目に浮かびます。
 この句は意表を付いていて面白い、素晴しい句ですね。
  角川源義氏は角川春樹氏の父上。
       なが雨や泰山木は花堕ちず        杉田久女
       泰山木巨らかに息安らかに        石田波郷
              (23)
         
       壺に咲いて奉書の白さ泰山木     渡辺水巴
        泰山木同じ色して昼の月       浜崎浜子
        泰山木見あぐ少年変声期        佐山香代子
  どれも、みんないい句ばかりですね。
  脚立に乗って写真を撮っていたら落ちそうになり、思わず枝を摑んだところ
 ポキリと折れてしまいました。
 幸い、私は落ちませんでしたが、その時折れた枝が上の写真です。
 まだ蕾が小さかったのですが、花瓶に活けてやりました。
          地下足袋の藍師泰山木の花      黒田杏子   
         (24)
        
               
  泰山木の花は下から見上げると、ほとんど上の写真のような感じです。
 花は高い所に咲くので、よく見えません。
       泰山木咲くや届かぬものばかり      照れまん
  大変長くなってしまいました。このあたりで 〆 にします。
 最期の写真です。ようやく開きかけた花の写真。大きな盃に見えますでしょうか。
       (25)
      
       泰山木ぽあん大人のおむつ買ふ      照れまん
  昨年、泰山木の花の写真を撮った時に、丁度颱風が来て散々でした。
 雨風の中、傘を差して、脚立に乗り、何度も取り直しをしました。
 もし、お暇な方がおられましたら、昨年撮りました
     ―― 「泰山木の花」その1、――  ←はこちらです。
  同じような写真ですが、よろしかったら御覧下さい。
  ものすごく長くなってしまいました。
 写真も、今までで一番多くなってしまいました。
 忙しい世の中、こんな長いもの 誰が読むか、と言われそう。
 しんどいですから、通り過ぎちゃってください。
  ボク タイサン んっ?? 退散 僕!      なんちゃって・・・・・。
  写真だけでも見て頂くだけでも幸せです。
  ありがとう。                ではまた・・・・。
                
       
        
         
     
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照れまん君の俳句歳時記 「泰山木の花」 その2 への8件のフィードバック

  1. コスモス より:

    とっても楽しく、最後までいっきに見せていただきましたよ~!
    「地上に興味なく」 というのも納得、真っ白で大きくてよく目立つ花なのに、
    みんな高いところに咲いていて、下から見上げてる人に知らんぷりして、一枚だってまともな写真がとれませんでした。
    脚立にでも乗らなきゃあ、無理ですよね。
    毛皮のコートもすごい! 大切に、大切に花を守り、子孫を残そうとしてるのが感激!
    蝶も、樹も、草花も、み~んな生きることに一生懸命なんですね。
     
    蕾のときから、花が開いて散っていくまで、よく写真が撮れましたね~。
    毎日がたいへんだったでしょう! お疲れさまでした。
    大作で読み応えがありました。

  2. 照れまん より:

          コスモス さん こんばんはー
    早速 ありがとう御座います。
    根性でしょう。  毎日毎日 午前・午後に撮ってました。
    高い所は花が大きいし きれいなのですが撮れません。下の方の花は少し小さくて、傷が付き易いのであまりいい写真になりませんでした。
    白い花は、写真に撮るのは難しいですね。下手をすると、花がテカッて 白すぎて輪郭がなくなるし、後ろが黒くなる時がありますね。
    それと、青空を入れたいのに、なかなかうまく入りませんでした。1枚目だけはほんのちょっとだけ、青空が撮れました。
    空を入れると、なぜか青くならずに、薄い色になるんですよ。水色のような曇ったような色になります。
    色々工夫し、何枚も没を出しながら、それでも 25枚もアップしてしました。
    ちょっと長すぎですよね。読んで下さってありがとう御座います。
    お疲れが出ませんように・・・・。また宜しくお願いします。

  3. Pu'uwai より:

    こんばんは
    元気でしたか? 風邪ひどくなってないですか?
    わちきは藤袴さがして飛び回り、やっと見つけました。 園芸品種だから天然ものとは違うけどいいよね。
    と言ってもさ、ここはアサギマダラの通り道じゃないんじゃないの? となると通らないかもしれないね。 
    まぁ、来年、来るかどうかだね。 花ももう終わっているしね。
    fuさん、15,16日って言ってたね。今頃釈シャカリキになってビデオ機器勉強中かな。ブログどころじゃないね。
     
    泰山木って差し詰め木のシーラカンスのようなもの? 古代から連綿と受け継がれながらたいした進化もなくという訳ですか。
    説1 泰山にちなんで付けられた名というのが一番この花に相応しいと思いますね。
       なんとも、気品があって重厚さがあって香りもいいし、全てに勝っているって感じがします。
       (14) の雄蕊なんて兵馬俑って趣きありますね。
       (22) やがてこの形で乾燥して松かさのようにからからになって落ちるでしょう。それもなかなかの風情ですよ。
     
    見上げても届かぬ思い泰山木   みんな早く帰って来い!  (あっ、私もだった) ぷうばい

  4. ひだまり☆☆ニコニコ より:

    えへへへ(*^.^*)エヘッ・・・・・
    もう山田君になんか頼まないで、ひだまりが直接届けに来ましたよぉ~
    「愛の座布団」100枚を!
     
    照れまんさん、こんばんは~^^
    (o^-^)ヾこヾ(^o^-) ん(o^ー^)o ばo(^0^o*)ん(o^-^)ヾは
    いつも楽しいコメント、どうもありがとうございます^^
     
    今回の観察日記もとっても素晴らしく、感激しながら見ていましたよ^^
    このままコピーして夏休みの自由研究に出したら、賞状をGETできますねぇ~~(o^-^o)
    ほんと凄い!です^^
    フワフワの毛皮のコート、とっても暖かそうで、ひだまりの心もポカポカしてきました。
    ゆっくりと、ゆっくりと、コートを脱いで、真っ白な花になっていく様子からも
    生命の尊さが伝わってきました^^
    ひとつの花のことをこれだけ詳しく、しかも素晴らしくまとめるのには、澄んだ心の瞳で見守りながら、
    朝晩写真におさめていたのですねっ^^
    「命のリレー」の様子を、ひだまりも身近にある花で観察してみようと思います。
     

  5. 照れまん より:

        Pu‘wai さん こんにちはー
    フジバカマ 植えたんですね。きっと来年春か、秋に来ますよ。
    静岡は アサギマダラ の通り道だと思います。千葉の方から吉野のほうに行くとき、絶対に通ります。
    ムヒヒ、楽しみですね。
    植物って、調べれば調べるほど、面白いですね。
    オシベを近づいてみると面白いでしょう。私は ヒトガタ と書きましたが、確かに 兵馬俑のたくさん並んだように見えますね。面白い!
    風邪薬を飲むと、2~3日はいいのですが、また鼻水が出始めて、ノドが痛くなってきます。
    きのう今日と、また寝ていました。
    寒い方に向くとホント駄目ですね。寒さに弱いです。
    冬物、ストーブを 出しました。
    いま、夕方 丸い月が出てきました。きれいです。
    Fu お姉様はお忙しいのでしょうね。 ではでは、また・・・・・。

  6. 照れまん より:

         ひだまりニコニコさん こんにちはー
    座布団 100枚 ありがとう。座布団でベッドが出来そうだから、この上で寝たいと思います。
    花って 一つ一つ見てみると とっても面白いでしょう。
     
    ところで、山口県には 鍋鶴 が飛来する所があるのですが、年々少なくなって、今年はまだ、二羽しか来ないって、いってました。
    昔は100羽を越えていたのにだんだん少なくなって、去年は7羽でした。
    田んぼがなくなったので、しょうがないですね。
    今では、ほとんどが鹿児島県に飛んでいっているようです。
    鹿児島が出てきたので、ちょっと話は逸れますが、鹿児島を新幹線が一部、走っていますよね。
    だいぶ前に、あの名前を募集していました。そこで、私も応募しましたけど、落選でした。
    確か「つばめ} になったと思います。つばめ じゃあ普通ですよね。
    私は、「HAYATO」 はやと って言う名前で出しました。いいと思ったのですが、残念でした。
    じゃあ、また・・・・・・・。

  7. Pu'uwai より:

    ムヒヒヒヒ 照れまんさんの保証付なら絶対通るね。
    けど、問題発生 フジバカマが枯れちゃったのよ。
    いつもの花保管倉庫にあったなと思って、そこまではズバリだったけど、もう枯れていた。
    でも強い草でしょう、何せ雑草のようなもんだからと2鉢買って、病院に行く途中だから後で取りに来るねと置いてもらった。
    雨だったり、帰りは大抵暗くなるから、夜だと泥棒みたいで気が引けてすぐに取りに行かなかったら、
    なんと、水不足で枯れてました。  「おっさん、水くらいかけておいてよ」 今、水につけて葉が戻るかどうか試しています。
    植えてみるけどね。 はぁ~~~、、、、。

  8. 照れまん より:

         Pu‘wai さん こんにちはー
    フジバカマ 枯れそう? う~っ、枯れないで下さいよー。
    鉢植えだと、水をやらないと、すぐに枯れてしまいますよね。地に植えると少々水をやらなくても枯れないのに・・・。
    地面の力って、すごいですね。
    私は、変わったアジサイを2鉢貰ったのですが、今 地に植えようかどうしようか迷っています。すぐカラカラになるのです。
    アジサイの名前を忘れてしまいましたが、何かの原種だといってました。もう一度名前を聞いておきます。
    ではでは、また・・・・・。

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