照れまん君の俳句歳時記 「唐辛子・ピーマン」

    唐辛子とんがり屋根の一軒家    照れまん
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                                                           鷹の爪           2008 12 01
 俳句では、唐辛子の季節は何時だった? 唐辛子の花ってあった? と聞か
れると、「え~~と!」と、ちょっと考えてしまう。
 俳句愛好者として、実に不甲斐ないが、いい加減さがバレてしまう。
 歳時記を読んではいても、意外と頭に入っていない。
そこで、俳句歳時記を出して読んでみると 「唐辛子の花」 は 「」 で
唐辛子」 は 「」 だった。
 季語を読んでいると、唐辛子の中に 「鷹の爪」や「ピーマン」がある。
 鷹の爪は何となく解るのだが、ピーマンやパプリカは別の野菜じゃないの?
と、気になってしまった。
 そこで、先ずはそれを調べてみることに・・・。
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                                                                         2009 09 13
               唐辛子
 被子植物門・双子葉植物綱・ナス目・ナス科・トウガラシ属  トウガラシ
 学名 : Capsicum  annuumL
 Capsicum は唐辛子の形状、ラテン語の capsa (袋)が語源
 英名 : chile  pepper       ,       sweet pepper
 和名 : トウガラシ  唐辛子
 原産 : メキシコ、  アンデス地方   や ブラジル・アマゾン河流域とも     
多年草  ですが、日本のような温帯では、一年草。
 トウガラシは世界中に 2000~3000種類はあるそうです。
 鷹の爪 とは、唐辛子の小ぶりの細くて尖った辛味の強い品種だそうです。
形が鷹の爪に似ているので、この名前が付いたようです。
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                                     近所の畑のピーマン   2009 09 14
             ピーマン
             
 ナス目・ナス科・トウガラシ属・ トウガラシ   栽培品種 ピーマン
 どうやら、ピーマンというのは、トウガラシの中の一つの栽培品種のようです。
 シシトウ・獅子唐辛子 も 一つの品種のようです。
 学名 : Capsicium annuum L,` grossum` 
 英名 : bell pepper  
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                                                 黄色のピーマン
 ピーマンは 何で ピーマンって 言うの?
 ピーマンの呼び方は フランス語のトウガラシを指す piment  (発音はピメン
か ピーマンの間くらい) であるとするものと、
スペイン語のトウガラシを指す pimento  (ピメント) が訛ったものではない
かという、二つの説があるようです。
 ちなみに、フランス語ではピーマンは poivrons  だそうです。
      唐辛子とは、中国の唐から来たからというよりは、外国から来たという
意味のようです。
  唐辛子はコロンブスがアメリカを発見した後、スペインに持ち帰ったそうです。
そして、日本に、1542年ポルトガル人宣教師が持ち込んだのが最初と
言われています。
  シシトウは江戸時代に栽培されていたようですが、ピーマンは明治初頭に
渡来 したのではないかと考えられているそうです。現在のように生野菜として、
サラダ などで食べられるようになったのは、戦後のことのようです。
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                                                     赤ピーマン
 さてさて、いよいよ唐辛子の俳句ですが、唐辛子には花が咲きます。
白い小さな花。
 「唐辛子の花」 は、「夏の季語」。
  傍題に、「蕃椒の花」(とうがらしのはな) があります。
 季語は載っていても、私の「日本大歳時記」には、残念なことに、、例句が一句
も載っていません。
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     草丈は30cm~50cmしかない      唐辛子の花    2009 09 16
 唐辛子の花 の句はありませんが、夏の季語に もう一つ「青唐辛子」があり
ます。
 傍題に 「青蕃椒」・「葉唐辛」(はとうがらし)があります。
 こちらには、例句がありますので、三句ほど紹介してみます。
       青くても有るべきものを唐辛子     芭蕉
       青々とまびき束ねぬ唐がらし      西島麦南
       つれなさの切なさの青唐辛子      三橋鷹女
 歳時記には、夏の季語で、「葉唐辛」(はとうがらし) というのもあります。
 秋の季語にも 「葉唐辛子」があります。
 歳時記に、同じものが一字違いで二つ載っているのですが、どちらも同じ例句
が載っていますので、晩夏から秋にかけてということで、同じもののようです。
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                                                                         2009 09 07
 さて、いよいよ 「唐辛子」 です。
 「唐辛子」 は 「秋の季語」 。

 言い換え、傍題が幾つかありますので、それらを書いて見ます。
 「唐辛」(とうがらし)・「蕃椒」(とうがらし)・「南蛮」・「南蛮胡椒」・「高麗胡椒
天井守」(てんじょうもり)・「さがり」・「天竺まもり」・「鷹の爪」・「ピーマン
などがあります。
          「蕃椒」(とうがらし) は難しい漢字ですね。
 生薬名を 蕃椒(ばんしょう) と言うそうです。
 蕃椒 の薬効は、滋養強壮・食欲不振・消化不良・神経痛、その他・・・。
 歳時記には、沢山の例句が載っていますので、その一部を紹介します。
       すりこ木も紅葉しにけり蕃椒        宗因
       (すりこぎも もみじ しにけり とうがらし )
       かくさぬぞ宿は菜汁に唐がらし      芭蕉
       美しや野分のあとの唐辛子         蕪村
 江戸時代から、すでに沢山の俳句が読まれています。
 続いて、明治以後の句を載せてみます。
       はらわたもなくて淋しや蕃椒      正岡子規
       唐がらし熟れにぞ熟れし畠かな    飯田蛇笏
       人の手にわたりて赤き唐辛子     松村蒼石
       唐辛子俳句は危険思想かも      照れまん
        (8)
        
                                                    2009 09 16
       炎ゆる間がいのち女と唐辛子     三橋鷹女
      (もゆるまが いのち おんなと とうがらし)
 鷹女氏の句は、本当に面白いですね。
 唐辛子の赤は燃え上がるような光沢のある美しい赤。
こんな真っ赤に燃えるような恋を、してみたいものです。
 「鷹の爪」・「ピーマン」 も 唐辛子の中に含まれますので、それらの句も載せ
てみます。
       きび/\と爪折曲げむ鷹の爪      村上鬼城
        (きびきびと つめ おりまげん たかのつめ )
       干しあげて漆びかりや唐辛子      浅井啼魚
        (ほしあげて うるしびかりや とうがらし)
       枯れきつて真の紅湧く唐辛子       加藤知世子
        ピーマンの韓紅やおそるべし       相生垣瓜人
       ピーマンの肉を詰められ焼かれをり   照れまん
        (9)
        
                                                   2009 09 28
       ひととびに寒さ来る地ぞ唐辛子    村越化石
 唐辛子の俳句で、最も有名な句は、次の句ではないかと思います。
       今日も干す昨日の色の唐辛子    林 翔
        (きょうもほす きのうのいろの とうがらし)  
 唐辛子は干されても、すぐに枯れたように茶色に変色する訳ではありません。
徐々にゆっくりと、枯れてゆき、赤い色は保ったままです。一日くらいたったの
では、殆ど変化は見られません。
ゆっくりとした時間の流れ、田舎の農家の営みが詠まれています。
この句は、唐辛子の中の名句だと思います。
 私は うどん に、ほんのちょっと一掛け 七味唐辛子 をかけるくらい。
どうも、辛いのが苦手なのです。キムチもほんの少ししか食べません。
カレーの激辛なんて絶対駄目。普段は甘口ですが、どうしても甘口が無い
場合、中辛なら何とか食べられます。
 ということで、最期の写真を・・・・。
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                                                   2009 09 07 
          転んだらピーマン赤くなっていた    照れまん
 もしもし、あなたがコケて、赤くなったんじゃあないですか?
           はい、その通り。    んちゃ ☆
 よその畑の中にピーマンが見えたので、写真を撮ろうと中に入って行ったら
畝と畝の間に、細い7~8ミリのプラスチックの柵を作る3mくらいの棒が沢山
置いてあったのです。その上を踏んで行こうと足を乗せたらツルッ と棒が
すべって スッ転コロリ! かなりヒドイコケ方でした。
腰と腕を打ちましたが、下が耕してある畑だったので、何ともありませんでした。
 「死んでもカメラは離しませんでした!」状態。
痛ーっ!ってな感じで、頭がピーマンになっちゃいました。
 ちょっと悔しいので、その時撮った写真を一枚追加します。
        追加 1
               
   葉っぱを持つ私の左手の指がちょこっと   2009 09 14
 こけたまま 撮ったわけでは御座いませんです。
 ついでなので、もう一枚 唐辛子の中でも辛くない、甘唐辛子の万願寺 を
載せてみます。
  「万願寺とうがらし」 Mangannji Chili peppers は 春の京野菜
   辛味がなく、甘くて美味しく栄養豊富なので、「唐辛子の王様と呼ばれている
そうです。
 大正末に 「伏見とうがらし」 と外国系の大型とうがらしの 「カりフォルにア・
ワンダー」の交雑種ではないかと考えられているそうです。京都府舞鶴市の
万願寺地区で作られたので、この名前が付いたそうです。
地元では、「万願寺甘唐」と呼ばれているそうです。
           
 唐辛子に比べると、3倍くらいの大きさがあります。
 下の写真は シシトウ・獅子唐辛子 だと思って、最初は記事を書きました。
 しかし、今日 偶然農家の人に会ったので聞いてみたところ、あれは
 「万願寺とうがらしと教えてもらいましたので、訂正します。
      追加 2、        万願寺とうがらし
        
          シシトウ ではなく 万願寺とうがらし でした                     2008 12 10
 唐辛子の辛味は カプサイシン という成分。
  唐辛子の辛味 を量る単位が スコヴィル値 。
 アメリカの学者さん Scoville さん が考案したものだそうです。
 昔は人の舌で調べていたそうですが、今は科学的に調べているそうです。
   スコヴィル値   ピーマン・シシトウ             0。 
          パプリカ           500~2500。
   タバスコ・ハバネロソース 7000~8000.
   三鷹唐辛子         3万~5万。
   世界一辛い唐辛子は   100万1314。
 こんな辛いものを常痔照れまん君が食べると、痔が出てしまいそう。
ちなみに、純粋カプサイシンは 1600万スコヴィルだそうです。
    というようなことで、ぼつぼつ最期の写真に致します。
 これでもかと もう一枚写真を載せ、最期にします。
  (1)枚目の写真とまったく同じ日に撮ったもので代わり映えしないので
すが、こちらの方が空が多いので、青空と赤い唐辛子の対比ということ
で、・・・・。 これで打ち止めにします。
         追加 3、      
             
                                                                         2008 12 01
 私は辛い(からい)のは苦手ですが、辛い(つらい)のも嫌いです。 
                                                コラコラ!  
 ということで、今回は近所の畑に成っている夏の季語、「唐辛子の花」。
そして、秋の季語 「唐辛子」 と その中に含まれる 「ピーマン」 を載せて
みました。  
       猿山の政権交代唐辛子      照れまん    
             
        
        
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照れまん君の俳句歳時記 「唐辛子・ピーマン」 への11件のフィードバック

  1. Pu'uwai より:

    ずっと雨は降り続いているけど、静かな雨です。台風は明日の予定照れまんさんやfuさんのとこは大丈夫なの?唐辛子ってたくさん種類がありますね。 昔は鷹の爪が主流だったみたいで、ばばちゃんが植えてました。ピーマンのことは、「でこ南蛮」って言ってましたよ。 唐辛子のこと「なんばん」って言いませんか?葉唐辛子の佃煮の瓶詰めが売ってるけど美味しいですよ。2,3日前に農家の100円ショップの唐辛子は、15cm長くて曲がっていて「甘味噌で煮るといいよ」 そうしたら美味しかった。ハバネロは、牛肉のような香りがして猛烈に辛いけど後口に甘味が残ります。 恐る恐る食べたけど不味くはない。追加1は 生食用のピーマントマトに似てますね。畑のあった支柱に乗り上げて転んだのですか、、、、怪我がなくてよかった。 カメラは放しませんよね。私も転ぶ時は、手なんか付きません。背中かお尻から地につくようにして自然体で逆らわずに転びます。鷹の爪とんがり帽子が踊ってる   ぷうばい   あまりの辛さに口の中で踊るんです。

  2. fujim より:

      おはようございます。この赤はキレイな赤ですね。  きれいなカープの色だ^^。 Puさんがカープの応援席を見て唐辛子畑と同じだと言ってたねぇ。 Puさんちもそうだったけど、 すごくたくさん実が付くんですね。 白い花もこれだけたくさん咲いてるんですか?・・・・ ってまたバカなことを訊いてるような気が、、、^^あはは 花はじっくり見たことはないのですが、 かわいい清楚な花 ・・・・・  あんなに真っ赤に燃えるとは思えない感じです。燃える思いも、 お花に活けられてなかなか面白い!  隣りには栗も山盛り置いてあるような、、、。ウチはfujipaが胃潰瘍やったこともあって、 唐辛子は使ったことがありません。 それこそ照れまんさんと同じ、 うどんに七味を使うくらいです。 そういえばししとうを買ってたんだったと思い出だして、 昨日はししとうを食べました。  ほぼピーマンと同じですよね。でもさすが全く同じではない、、、当たり前か^^ゞ追加1は、 照れまんさんが転んで尻もちついたからへしゃげチャッタのー!^^?足元がすべるのは、 ストンと掬われてとても危険ですよねぇ、、、転ばぬ先の杖、 ^^で、 私には杖があるから辛うじて持ちこたえていますが、何もないのに転びかかったことは何度も、、、足元には意識して気をつけないといけませんね、 そういう年になってるんだから、 ってこれは私、わたしのことですよ^^。 Puさんとこには、 まともに台風いきましたね? 大事なかったかなぁ。

  3. 照れまん より:

     Pu`wai さん こんにちはーこちらは午前中、曇りですが、すっかり穏やかに なりました。南蛮 とだけ書けば 俳句では 唐辛子のことを 言うらしいのですが、解りづらいですよね。それから、てっきり シシトウ と思っていた 赤い長いのは 気になったので調べてみたのですが、どうも違うような気がします。シシトウ とは 少し形が違うような感じですね。農家の人に聞けばよかったのに、この時は会えなかったので聞いていないのです。それで、自信がないので 文章は書き直しておきました。そちらの 颱風は どうだったですかね。ニュースでは見てましたが、今は少し遠ざかっていっているようですね。Pu`wai 邸は 少々の颱風にはびくともしないと思います。あちこち、被害が出ないことを祈っています。

  4. 照れまん より:

         Pu`wai さん 追伸やっぱり やっぱり シシトウと書いたものは違っていました。ちょうど今日、農家の人が 雨上がりで 畑を耕していたので、去年ここに植えていたものを聞いたところ 「万願寺唐辛子」と教えてもらいました。早速、記事を書き換えました。ピーマントマト のおかげで、事実がわかりました。やっぱりきちんと調べないで書くと 間違う時がありますね。ありがとう・・・。

  5. 照れまん より:

    Fujim さん こんにちはー唐辛子 と ピーマンを やっと載せました。古いカメラで撮った写真もまだ少し残っているので、 こちらも2枚ほど載せました。まだ、前のカメラで撮ったものが しぶとく 残っています。FujiPa さんも 唐辛子は苦手だったですか。間違いなく日本人です。調べていたら、韓国の 唐辛子は 日本のものほど辛くないので、本場のキムチは 見た目ほど辛くはありません なんて書いてあるのですが、そんなことは無いですよね。辛いですよ~~。シシトウ だと思って写真を載せていたら、違っていたので書き直しました。それから、俳句も二句 ほど表記が違っていまして、それも直しました。そんなこんなですが、またよろしくお願いします。横浜を楽しんで来て下さい。

  6. KEN16 より:

    ヤーヤーご無沙汰はいつものこと、お許しください。それにしてもカープの色ですか?この赤色はいいですねーェ!デジには何となく苦手な色ですがそこを抑えつつ鮮やかな発色!照れまんさんの選ぶ感性がそうさせるのですねーェ!家庭菜園では甘長トウガラシを育ててますが、こんなに赤く育てません。転んでも放さないデジ・・・吟行しながらトウサツ?に専念されている姿が目に浮かびます。またまた寄らせてください

  7. Ryu&CatFu より:

    コメントありがとうございました、確かに納豆のほうがしっくり来るのですが、資料にしたのは日本語で、しっかり豆腐と書いてあるのでいるのでそれを信じるしかありません。 また お越しください。それでは、、。

  8. 照れまん より:

    KEN さん こんにちはーいつもありがとう御座います。広島カープも 真っ赤 に燃え尽きてしまいました。結局 5位の指定席でしたが、60勝を超えたので、まあまあ良しとしておきます。唐辛子の赤って 本当に綺麗ですね。光が当たると エナメルのような光沢があり、とてもきれいです。緑色が 何で 赤くなるのか不思議ですが、緑からちょうど赤くなりかけのものもあり 自然の色の妙ですね。緑 と 赤 って何か色の関係があるのですよね。よく解りませんが 自然の色使いって 本当に見事としか言いようがありません。KENさんも 家庭菜園で甘長唐辛子などを育てておられるのですね。それで、植物に詳しいはずだ。では、またよろしく お願いします。

  9. Pu'uwai より:

    秋晴れそうか、私の買った唐辛子は「甘長トウガラシ」というのですね。 細長く曲がってて青くて辛くなかった。KENさんちのと同じものだったんだ。美味しかったですよ。fuさんお天気がよくて良かったね。 2,3日は持つでしょう。

  10. 照れまん より:

    Pu`wai さん こんにちはーきょうは Fujim さんは ドレスアップ して ネックレスをして、シャナリシャナリと式に参加しているのでは ないでしょうか。むふふふ。 帰ってきてからが 楽しみですね。昨日 万願寺唐辛子が 成っているから 見に来んさいと 言われていたので、夕方行って来ました。そしたら、ちょうど農家のお母さんがいて、写真を撮らせてもらい、帰りに 一杯甘唐辛 万願寺唐辛子をもらいました。夕食は 軽く焼いてもらったのですが、、ピーマンのような青臭さがなくて 美味しいですね。

  11. 照れまん より:

        リュウ と猫の フーさん こんにちはーわざわざ、こちらへご返事を下さり ありがとう御座いました。世界中の面白いニュースを 楽しみに見せてもらっています。

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