照れまん君の俳句歳時記 「嫁が君」

    綱渡り軽業師より嫁が君    照れまん
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          2010 05 04        
                                                   
 最初の私の句。 
 我が家の嫁さんは軽業師より綱渡りが上手なので、スイスイと渡りますよ、
と言うのではありません。
俳句に「嫁が君」という季語があります。
嫁が君」とは、新年正月三ヶ日に現れるネズミのこと
「季語語源成り立ち辞典」榎本好宏著(平凡社) には、次のように書か
れています。
  ――鼠は忌み言葉ですから、正月三が日は「嫁が君」と呼ばれます。
    古くは鼠、それも白鼠は大黒天の使者とされたり、十二支の頭に
    据えられ智恵のあるものとされてきました。その鼠が忌みことばで
    ある理由を示す文献はありませんが、恐らく「寝」を忌む連想から
    「寝積」が嫌われた原因かも知れません。「嫁」は古くから鼠の
    異名として存在していました。 ――
            
 正月の鼠は嫌われるものではなく、穀物が豊富にあるから出るのだと、
逆に目出度いことととらえ、関西では愛される名前を付けて、「嫁が君」と
呼んでいたようです。
そこで、最初の句は、正月にネズミが電線やテレビ腺の上を上手に
にスルスルと渡っていますよ、というもの。
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         2009 05 30   子ネズミ           
     という字はとても難しい。
 これは、象形文字で、一番上の部分が歯の付いている顔で、その下に
胴体があり、点は4本の足で、右下の払えが尻尾だそうです。そう言わ
れれば、そう見えなくもありません。
  鼠 という字は、元々哺乳類型の小動物、イタチやテンなどを含めた
ものを差していたようですが、それが後に、それぞれに名前が付いて
分かれていったようです。それで、今でも 鼠 の漢字が使われる
小動物がいるようです。
 鼠偏の付く漢字は、私の持っている国語辞典に六つ、パソコンの中に
は12個の漢字が見えます。
  鼯・鼫 は両方とも ムササビ
  鼪・鼬  は両方とも イタチ と読みます。
  鼢・鼴 は モぐラ ですが、モグラは普通には「土竜」と書き
        ますよね。こんな漢字は見たこともありません。
  それから、栗鼠(リス)の場合は二つの漢字で書きます。
            (3)
        
       
 それからもう一つ、ネズミには、「子」(ね) という、干支の読み方があり
ます。
  は本来  シ、おとこ・きみ・こ と言う読み方。
              
 意味 1:おとこ・男子・身分のある人 
    2:徳のある人・先生・学者・士大夫の通称  
    3:人・人々・女子 
    4:代名詞・そなた・きみ  
    その他、親に対する子。虫や動物の卵。木の実。子爵の爵位。
    帽子。餃子。書籍の分類。ふえる・いつくしむなどなど、沢山の
    意味や使われ方があります。  
                  【『字通』より抜粋】
 2、によるのでしょうか、俳号には虚子や秋櫻子 など 「子」 を付けて
おられる方が見受けられます。
  ね と読む場合、本来は時刻方角を表す漢字。
 子の刻 とは、夜中の12時。その前後2時間をいう。
 子の方角 とは、
そこで、子午線とは、子(ね)・北 と 午(うま)・南 を結ぶ線。
 干支(えと) とは、十干十二支(じっかんじゅうにし)。本来は時刻や
方角を表す記号や数字のような意味合いを持つ漢字。これが、一般に
は解りにくいものだったので、古代中国、漢の時代かそれより少し前、
十二支に動物が当て嵌められました。
 初めに十二支の漢字があり、後に動物を当て嵌めた為に、本来の
動物の漢字と干支の漢字は違っているので、ちょっと解りにくい。
十二支の漢字には、全く意味の無い動物が選ばれているものもある
ようなので、その辺りがややこしいです。
          
 年賀状のように絵と漢字が書いてあると、解りやすいですね。
           
 十干(じっかん) とは、甲・乙・丙・丁・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛
(しん)・壬(じん) の10種。
 十二支 は 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥 の12種類。
             
 その他に、陰陽五行説なども絡まり、中国の古い暦は一口に説明
をするのがとても難しいので、これくらいにしておきますが、現在でも
比較的生活に結び付いているものもあります。
 甲子園球場などは、甲(きのえ)子(ね)の年に完成したので、甲子園。
その他、丙午(ひのえうま)なども、よく聞きます。
 還暦 というのは、干支の組み合わせの60ほどで元に還るので、60
年周期でくるもの。60進法が面白いですよね。
 昔、還暦と聞くと、ものすごい年寄りというイメージがしていましたが、
自分が今、還暦に近づくと、こんなんでいいかな?とちょっと幼い感じが
して不安なのと、もう還暦・・・??という感じがして複雑です。
        (4)  
        
            2009 05 30
 さて、ぼつぼつ俳句です。
 俳句歳時記では、「嫁が君」 は新年の季語。
 江戸時代から明治にかけて、関西方面で、使われていた方言のような
言葉だったようです。それで、俳人にとっては知る人ぞ知るという季語で
一部には使われていたようです。
 それが、段々と使われなくなり、昭和も戦後になると季語として消え
かかってしまったようです。
 ところが、最近「絶滅寸前季語辞典」などが出版されるようになり、また
復活し、沢山の句が読まれるようになってきました。
 まず、江戸時代の俳句。
      餅花やかざしに插せる嫁が君     芭蕉
 餅花というのは、正月に赤や白のもち米で作る小さい繭玉。樫の枝など
に飾り付けるもの。今でも商店街などによく飾られています。あの餅花を
狙って鼠が来ているのでしょう。
 插せる(させる)の漢字が歳時記には「させる」と仮名表記になっている
ものもあります。ここでは、漢字を採用しました。
(あるサイトで、この句の「嫁が君」の下五が、「里が君」になっているのを
発見!どうなんでしょう。ただの写し間違いでしょうか?疑問です??)
      明くる夜のほのかにうれし嫁が君   其角   
 続いて、明治以後の句を載せてみます。  
      行燈の油なめけり嫁が君        正岡子規
      ほの暗き忍び姿や嫁が君        河東碧梧桐
      三宝に登りて追はれ嫁が君       高浜虚子
      嫁が君妹が手鞠をかくしけり      大谷句仏  
            (5)
         
         2010 05 04   モドキジュニア
 もう少し、新しい俳句を見てみます。
      どこからか日のさす閨や嫁が君    村上鬼城
                     
 閨(ねや) とは、寝室のこと。明け方でしょうか。
      られし写楽の顔や嫁が君      阿波野青畝
 浮世絵の写楽が鼠に齧(かじ)られているのです。写楽の驚いた
ような顔が欠けているのが想像されて面白い。
       内陣を御馬駈けして嫁が君      小松月尚
 お寺の本堂の内陣を、正月に鼠が走っているのですね。
      美しき障子明りや嫁が君        加古宗也
      貧しさの想い出ばかり嫁が君     橋本逍月
 昔はみんな貧しかった。それでも、助け合って、明るく楽しく暮していま
した。
                           
 私は子供の頃以外、ここ数年は、鼠を見た事が無かったのです。
それが最近、猫のモドキと親しくなってきたら、モドキに彼女が出来て
子供が生まれました。子猫の モドキジュニア はなぜか鼠を獲るのが
上手。もう5~6匹は獲ってきました。それを、私の部屋の庭から上がり
口に持って来て置いてしまうので困ってしまう。
 どうやら、獲るのは獲っても、食べることはしないようです。動くうちは
遊んでいますが、死んでしまうと興味がなくなるのか、置いたままにして
います。
暫らくたつと、蠅がたかって来るので汚くてしょうがないので、畑に埋め
てやっています。
 写真の鼠は、 モドキジュニア が獲って来たものです。
 最期の写真は可愛らしく、・・・・・。
        (6) 
        
            2010 05 30
  これは、私が昔作ったビーズの ミズネ ちゃんです。
      パソコンの夜伽のマウス嫁が君    照れまん
 ネズミを載せたので、最期は奇麗な写真と俳句をと思ったのですが、
お口直しになりませんでしたねえ・・・・。 チュー意します。 
    ドテッ!!          これは、失敬  
 私の住んでいる瀬戸内の山口県大島郡屋代島の周辺に、浮島や
沖家室島という小さな島があります。その島は江戸時代にネズミが増え
て困ったという記録があるようです。片方の島は祈祷をしたら居なくなっ
たそうですが、片方の島は何度祈祷をしても駄目だった。ところが、ある
年、突然鼠が居なくなったそうです。何が起こったのでしょうか。ドイツの
ハーメルンのようなことが起こったのでしょうか??
 不思議です。
 愛媛県の島でも、昭和に鼠が増えて困ったそうですが、その時は猫を
島に導入。そうしたら、次第に猫が増えていき、鼠を獲らずに干している
魚を獲って食べて仕舞うので、鼠以上に困ったというような笑い話のよ
うな話があるようです。
 漫画やアニメでは、愛されるキャラクター。ミッキーマウスや トムと
ジェリーやネズミ男などなど・・・・。ミッキーマウスは世界中で愛されてい
ますね。
 今回は、新年の季語。正月三ヶ日だけ特別に愛称で呼ばれている鼠、
嫁が君」 を載せてみました。 
             
            
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照れまん君の俳句歳時記 「嫁が君」 への4件のフィードバック

  1. 小太郎 より:

    照れまんさん こんにちは~ネズミですか~!@@! ほんまもんのネズミかいね~写真は!@@!どこにおったんかね・・ でもさすがにこれは・・ちょっと引くんじゃない~んかね~そういやー子供のころネズミ捕り器を家に仕掛けていたね~捕ったネズミを役場へ持っていくとお金をくれたんじゃなかったかな~ たしかネズミよね?ほんでネズミ取り器に入ったまま浜へ持っていく。ほんで猫も連れていくんよ。そしてネズミを捕り器を開けてネズミを放すわけ・・ぴゅーとネズミが逃げ出すと、猫が脱兎のごとく・・アッという前にネズミを捕まえた。あれは確か小学校1年生くらいのことじゃったかな~とりあえず そんなとこで また・・

  2. 照れまん より:

           Haw小太郎さん こんにちはーどん引きさせる ネズミ小僧 改め ネズミ男 です。生きたネズミは撮れんけエねえ、死んだ鼠 でお茶を濁して・・・・・。モドキジュニア がネズミ を銜えてきたので、よしよし と褒めてやりましたよ。最近ネズミは見なかったのに、やっぱり居るんだね。

  3. fujim より:

    子供の頃を思い出してしまいました。  あの頃は天井を足音が駆け廻っていましたよね。猫もそれこそ脱兎のごとく追いかけ、 捕まえてからは弄んでいましたね。  あのネズミ達はどこへ行ったのですか?絶えていったのですかねぇ。  絶対数が減ったので見かけなくなったんでしょうね。嫁が君と言う言葉は知りませんでしたが、 お飾りの御餅は齧られたりしていました。その頃は、お正月の鼠に対して、 芭蕉ほどの親しみはないまでも、 嫌悪感とまではいかなかったような・・・・「ああ、鼠が齧ったんじゃあ・・」 という程度だったような気がするけど、 今だったらそういう風にはいかないような・・・・人間は変わってきたけれども、 猫の習性は変わらないんですね、 モドキジュニア かわいい仕草ですごいじゃないですか。ああでも、 食べないところを見ると、 食生活?が変わってきてるんですかねぇ。       ウグウグ・・・・ど、 どうしても、 少なくとも (2)はパス!じゃわーー   さすがの照れまんさんも走ってる鼠は 捕れん、撮れんかったらしい・・・・・

  4. 照れまん より:

    fujimさん こんにちはーネズミ年に書こうと思ったものが、ようやく何とか書くことが出来ました。また、誤字脱字 ヨロシクお願いします。ちょっとグロテスクな写真なので、どうかなと思いながら、アップしました。モドキジュニア のお陰です。 昔はよく見ましたけどね、最近はほとんど見なくなっていました。時々テレビで、都会には増えていて、夜 ゴミを漁りに出るなどとやっていましたね。ゴキブリホイホイ みたいな ネズミトリホイホイ みたいなのを床にひいたりしてましたよ。そんなこんなで、またヨロシク・・・・・。

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