照れまん君の俳句歳時記 「茸・きのこ」

    今回は茸を載せてみます。

雨の庭に山頭火めくきのこ生え     照れまん

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  俳句では、「茸・きのこ 」 は秋の季語。
  これは、基本季語でして、この中に多くの季語が含まれています。
それで、まずは その説明を。

  「茸」(きのこ) 秋の季語、晩秋です。
  傍題として、「茸飯」・「くさびら」・「茸山」(たけやま)・「茸番」・「茸売
があります。キノコとして詠むものです。  
   それから、茸は種類が多く、それぞれが食用として有名なので、独立し
た季語として、扱われているものが、沢山あります。

  まず、「松茸」、それから、「椎茸」、「湿地茸」(しめじ)、「初茸」、「栗茸」
舞茸」、「岩茸」、「楢茸」、「桜茸」、「紅茸」、「初滑子」、「月夜茸」、
毒茸」、「天狗茸」、「猿の腰掛」、「茯苓」(ぶくりょう) などが、独立した
季語として、歳時記には別々の季語として掲載されています。

      「」は俳句では植物の分類になりますが、生活の分類で「茸狩」
いうのがあります。これも、一つの季語です。

07090005              (2)

  そこで、今回は 基本季語 としての 「」です。
」・「茸汁」・「茸飯」・「茸山」その他です。
  漢字では、菌(きのこ)の字を当てることもありますが、こちらが本来
の字。

  菌    声符は キン。  きのこ・たけ
  菌は 小さくて 叢生するものをいう
  口 + 禾、  口 は丸い入れ物。禾 は穀物 。そこから丸い穀物を入れる 
                 倉庫.。それに、草冠が付き、きのこや 菌類になる。

      声符は ジ。   ジョウ・ジュウ、しげる。 草が初生の様を言うと
             あります。
  本来の意味は、しげる・みだれる、刺繍の糸、鹿のふくろづの、にこげ、
  細毛   などをいう。日本では、  きのこ・たけ   として使われるように 
  なったとあります。
                                                  【字通より抜粋】
  (どことなく、耳たぶに似てなくも無いですね。それで  茸??)

  キノコの語源は、倒木などから沢山のキノコが生えている、そこから
木の子   から   きのこ   になったと考えられるようです。

P1090727               (3)    2008  05  27

  「茸」(きのこ) の俳句を見てみましょう。
まずは、江戸時代の句。

           中入に見まふ和尚や茸がり       炭太祈
  炭太祈(たんたいぎ) 1709年~1771年。江戸中期の俳人。
  酒と俳諧を生涯の楽しみとした、当時有名な俳人。蕪村と親交があり、
蕪村より7歳年上。

          心憎き茸山越ゆる旅路かな       蕪村

            菌汁大きな菌浮きにけり            一茶
            (きのこじる おおきなきのこ うきにけり)

            苔寺の苔のなかにも茸生え        照れまん

  もしもし、照れまんさん。あんた、江戸時代の人じゃないでしょう?
  バレました~、失敬!南方系縄文人でして。寒さがこたえるもんjで、
手が悴んで!

  嘘つきなはれや~。「きのこの山 」を取り上げますで~!    
それだけは、堪忍★

P1100937               (4)    2008  06  03

  続いて、明治以後の俳句を見てみます。

            さきんぜし人を憎むや菌狩     河東碧梧桐

  松茸を取りに行った時など、先に友人が見つけたりすると、悔しいです
よね。とてもよく解る句です。

            茸山の白犬下り来るに逢ふ       山口誓子
            (たけやまの  しろいぬ   くだりくる にあう)

P1110757               (5)    2008  06  07

  ここで、ちょっと 『万葉集』 をみてみます。

  原文 : 詠芳 高松之此峰迫尓笠立而盈盛有秋香乃吉者

  読み下し文 : 詠芳   高松のこの峰(みね)も狭(せ)に笠立てて
                                満ち盛りたる秋の香のよさ

  意味 : 芳(たけ)をよむ   高松(これは奈良の高円山ではなかろうかと
            する説があるようです)この峰に所狭しと笠を並べて生っている 
            その秋の香の満ち溢れていることよ。

  この和歌は、松茸 のことが詠まれているそうです。松茸が沢山山に
生えていて、いい香りが立ち込めているのですね。
  昔から松茸は香りの良いものとされ、食されていたのでしょう。
  今でも、香り松茸 味しめじ といわれますね。

P1120029            (6)    2008   06  09

            干菌山の日和に反りかへる        水原秋櫻子

           かへり見て母の達者や茸山        皆吉爽雨

        遠野人灯を低くして茸売る          皆川盤水

  皆川番水氏(1918~2010)福島県出身、東京で活躍。「春耕」主宰。

  もう少し俳句を載せて見ます。   

            こしかけて山びこのゐし猿茸        飯田蛇笏

            やまびこのゐて立ちさりし猿茸         〃

            茸にほへばつつましき故郷あり     飯田龍太

             岩に手を触れて茸の香とおもふ         〃

  飯田親子の俳句饗宴。蛇笏氏はサルノコシカケを詠んでいるのでしょう。
龍太氏はキノコの香りを詠んでいます。どの句も、いい句ですね。

P1290022             (7)    2009  10  06

           笑ひ茸食べて笑ってみたきかな       鈴木真砂女

  世の中、いろんなことがありすぎて、暗澹たる気持ちになる時があります。
そんな時、もし笑い茸を食べて笑うことでもできれば・・・!
  心の底から、思いっきり笑ってみたい、ついついそんな衝動にかられて
しまいますよね。同感です。

            捨得の装いで来て茸狩         高澤良一

  寒山さんと捨得(じっとく)さんの唐代の二人の僧。貧しい出身で お寺の
下働きを苦も言わずしていた。捨得さんは箒を持って境内の掃除をして
いる 絵が多数描かれています。後に捨得さんは、普賢菩薩の生まれ代わ
りと、慕われる高僧に。
  二人のことは、多くの俳句に詠まれています。この句では、質素な作務衣
で来たのでしょうか?

  俳句では「茸」と書いて、「きのこ」とも「たけ」とも読みすので注意が必要
です。

P1390024         (8)    これは何でしょう茸でしょうか?庭に生えたもの    2010  10  21

           国引きの島根を指呼にけむり茸     角川源義

           須佐之男の国に来てをり月夜茸     角川春樹

  角川氏の親子の句です。どちらも偶然に出雲を読んだものでしょうか。
しかも、どちらも キノコを詠んでいるのが面白いですね。

            一日はおまけのごとし茸汁         宇多喜代子

            月山の茸づくしの三の膳             黒田杏子

P1270261           (9)      2009  07  09

  菌・キノコ は動物でも植物でもなく、第三の生物といわれているそうです。
キノコの繁殖は植物とは違い、花に当たる「子実体」と呼ばれる菌糸体の
糸のような細胞から発芽して、胞子を飛ばしてどんどん増え ていくそう
です。だから、植物のように見えますが、植物ではないそうです。
  初めて知りました。

  最近は一年中出回っているキノコ類もありますが、やはり、きのこは秋が
旬の物。松茸などは、秋でもなかなか見ることが出来なくなって、近年
大変高価な食材になっています。
  松茸やシメジ・椎茸 などは、又の機会に載せますので、その時は
ヨロシク。

  写真に撮っているキノコは我が家と我が家の裏で撮ったものがほとんど。
茸の種類は、全く調べていませんので、もしお解かりの方がおられましたら、
教えて頂ければ、名前を 載せたいと思います。

  そういうことで、今回は、秋の季語 「茸・菌」を載せてみました。

◆              ◆               ◆

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照れまん君の俳句歳時記 「茸・きのこ」 への4件のフィードバック

  1. 昔の乙女 より:

    おはよう\(^o^)/
    沢山のキノコの種類があるのね~(@-@)
    野菜売り場に並んでいるキノコしか知らないので恥ずかしいわ゜(>д<)゜

    • 照れまん より:

      昔の乙女さん こんにちはー
      乙女さん ところの クリスマス を見ていると うらやましいですよ。
      子供さん達も嬉しいでしょうね。
      こちらは ツリーどころか 雨が降ると 庭から にょきにょきと 茸が出てくるのですから。すごい田舎でしょう。

  2. fujim より:

    照れまんさん こんにちはー
    蔵の奥から次々と 山頭火さんのうしろ姿が出てきますネェ・・・・
    松茸をはじめとするきのこの名、みんな食用なんですね、  こんなに種類が多い、、、4、5個しか分かりません。
    それにもまして、撮られた茸の写真の多いこと!@@! ご近所でこんなに撮れるんですね。 ときわ公園の隅のほうでも時々見ますが、こんなにありそうな気がしません。

    接写写真がまた一枚一枚気合いが入ってる感じ☆☆
    ガンデジでもこうは撮れないんじゃないでしょうかねぇ(^^)。
    動物でないとは思いますが、 
    植物でもない第三のイキモノ!@@!  ?う・ーー・ん・・・・・

    • 照れまん より:

      fujimさん こんにちはー
      とうとう奥の奥の 正倉印の蔵の中からから 茸を引っ張り出してきました。
      ほとんどが 庭と 庭から畑に出たところに生えていたものです。
      この写真のものは みんな 食べられないと思うんですけど、どうなんでしょう?
      6番も9番も 何なんでしょうねえ? 食べられませんよね??
      茸は 種類が多いので 全く調べていないのです。
      もし名前が解ったら 教えて下さい。書き足しますので・・・・。
      そこんとこ ヨロシク??
      第三の生物といえば、私も似たようなモンですけどね。寝たりおきたりして フケを飛ばしているんですけど、一向に胞子は発芽してくれません。

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