緑陰は腕試しの場音楽院 照れまん
「メトロノーム」と言う句集は、私が若い頃、面白半分で書いていたものです。和紙のノートに書き留めただけの物なので、句集が出版されているわけでは御座いません。
句集の最後の「あとがき」の日付が1998年2月1日となっています。俳句を始めた1983年頃から14~15年間の気に入ったものを少しづつ書き溜めたものです。まだ若くって、自由奔放に書き足していました。誰にも書けないようなひらめきや個性のあるものが書きたいと思っていた頃の作品です。
絵師歌人茶人俳人花衣 照れまん
朧月泣いてかわうそゐなくなり
どの俳句も懐かしいものばかりです。
牡丹園狐の嫁入り通りけり 照れまん
村ぢゆうの風を孕みて鯉幟
ほうたるを指輪の如く渡しけり
西郷の見下ろす日本天高し
息をかけ印鑑覚ます歳暮かな
一つづつ島を包みて雪の来る
芭蕉出で芭蕉に終はる枯野かな 照れまん
この頃は入院生活をしていて、たまたま二人の患者さんに「俳句を始めませんか?」と誘われた。私は文学や詩など全く興味が無く、素養も無いのでお断りしたのですが、強引に誘われて始めることに・・・。しかし、勧めた二人の患者さんは早々に退院してしまい、以後は私一人で細々と続けていました。二人の患者さんは偶に病院に通院して来て、その時必ず私の見舞いに来てくれ、俳句の載った新聞や週刊誌や俳句雑誌を買ってきて下さいました。
私の俳句が新聞や週刊誌に載ったりすると、「載ってるよ~!!」とても喜んでくださり、その新聞や週刊誌を持ってきて下さいました。本当に有り難いことだと思います。その二人の患者さんは、もうお亡くなりになってしまわれましたが、今頃遅いですが、感謝を申し上げたいと思う次第です。
「その節はありがとう御座いました!!」
音叉打つ余韻の月に吸はれつつ 照れまん
(音叉=おんさ)音楽家は毎日毎日調弦や調律に音叉を使うのが仕事。そんな時窓から見える満月がとても美しかった。
まだまだ句はありますので、続きはまた気の向いた時に書きます。
そこんとこヨロシク・・・・!ではでは・・・・。